法則
編集者になりたての頃、初めて企画した本を舩井幸雄先生にお持ちしたときのこと。先生が言われたのは一言。「君、こんなまとめ方じゃ本は売れないよ」――。お世辞やおべんちゃらなどいっさいない、ただ真実だけを語る。それゆえに、厳しい言葉ではあったが、あたたかみを感じる一言であった。それが、舩井幸雄先生との最初の出会いであった。以来、数冊の本を担当させていただいたが、お会いするたびにいつもニコニコと自然体で、かつ人へのやさしい心遣いを絶やさない。それが、舩井先生の一貫した印象であった。鬼籍に入られて3年が経とうとするが、いまの時代だからこそ、舩井先生が遺された数々のメッセージは、多くの人たちの胸に響くのではないか。そんな思いを抱きながらまとめた一冊。ぜひ人生のよきパートナーとなることを願う。