もうすぐ72歳になる私の母は10年ほど前、仕事中に転倒してひざを痛めました。
以来、年を追うごとに外出がおっくうになり、ふさぎ込む日が増えていきます。
腸の一部を切除する手術をしてからはお腹の調子も芳しくなく、外出のハードルはさらに上がった様子。
毎年楽しみにしていた明治神宮の初詣にも、数年前から行けなくなってしまいました。
実家に帰る頻度をなるべく増やすようにし、近況を聞きながらストレッチやマッサージをしていっしょに外を歩くようにしていますが、ウォーキングでも毎日継続するのは難しいよう。
どんな運動ならいいかを聞いてみると「楽しくてサッとできるもの」がいいのだとか。
母のように体に不自由さを抱える人も、それを心配する私のような人も日本には大勢いるだろうなぁ、と思いながら進行していたのが本書です(暗~い前置きで、しかも長くてすみません……)。
制作ではまず、日本で最先端のリハビリ医療が受けられる原宿リハビリテーション病院の精鋭のみなさんに、リスクが少なくて体に効く動きを伺いました。
それを、楽しい振付けをすることで人気のパパイヤ鈴木さんに、ダンスのかたちにしてもらうことに。
喜び勇んで、できたダンスを病院内の患者さんに実践して頂くと「速すぎる」「立ってはできない」など、私が気づいていなかったさまざまな意見が。
それをパパイヤ鈴木さんにお伝えして修正頂き、修正されたものを患者さんに実践して頂き、というのを繰り返しつつ音楽をつくってもらううちに、あっという間に2年の月日が経ってしまいました。
ですが、そのぶん「体に効く」「楽しくできる」という点については精度が上がったと思います。
ダンスの制作途中で母に話すと、いい感想しかくれないと思ったので、あえてこの企画について話もしていませんでしたが、本ができたら、真っ先にプレゼントしたいと思います~。
担当編集者から一言
体の不自由な母のために作った書籍
最新記事