知る人ぞ知るすごい精神科医の、心のお守り本
2021年、1年間お疲れ様でした。
嬉しかったこと、楽しかったこともあった一方
辛かったこと、悲しかったこと、悔しかったこともあったかと思います。
自分ってダメだな~と泣きたい日もあったりして……。
でも、あなたのすごいところを私はよく知っています。
そんな風に言われたらどうですか?
「文句も言わずに朝から晩までご飯を作り、掃除や洗濯を毎日毎日、愚痴も言わずに頑張ってくれました。
子供が大きくなってくれたのは、そして家庭が回っているのは、あなたの美味しいご飯と、無償の愛のおかげです。
当たり前と誤解していたけれど、実は当たり前ではない。
本当に素晴らしい奇跡です。ありがとうございます」
このように言われて、私は涙があふれてきました。
これは、薬に頼らずに1000人の心の病を寛解させた精神科医・平光源(たいら・こうげん)先生の著書
『あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから』の冒頭の数行です。
私たちがあたりまえと思ってやっていることを、あなたは本当にすごい! と褒め、
もっともっとと頑張らなくていいんだよ、と今の自分そのままを認めてくれているように感じました。
この先生、東北では知る人ぞ知る、すごい精神科医なんだそうです。
クリニックに訪れる「死にたい」と訴える患者さんに
「死んでもいいよ」と話し、その辛い気持ちを認めてくれるのです。
実際に、この治療で自殺を選んでしまう方はいらっしゃらないそうです。
そして、先生のモットーは「なるべく薬に頼らないこと」。
一度お会いしてみたいです。
本書には
なぜマイナス思考になってしまうのか
自分を好きになる方法
うつの原因、うつの患者さんへの支え方
自信のつけ方、罪悪感について
などなど、実際に患者さんに対して実践されていることが盛りだくさんに書かれています。
なぜ、2021年この本が1番印象的だったのか?
それは、あるママ友から
「子どもが死んでしまいたいって言ってる。
どうしよう? どうしたらいい?」
と相談されたことがあったからなのです。
私も「え~~~!? どうしよう? なんて言ったらいい?」と
焦りましたし、ドキドキしたし、本当に心配しました。
その時に思い出したのが、この著書だったのです。
「死にたい」というお子さんに、
さすがに「死んでもいいよ」と答えたらいいよとは言えなかったのですが、
「お子さんの気持ちをわかってあげてね」
「それほど苦しいんだねって言ってあげてね」
「そんなこと思っちゃだめって言わないでね」
と答えたのを覚えています。
(ママ友の心配してしまう気持ちも痛いほどわかるのですが……)
私のようなそんな場面はなかなかないでしょうが、
本書が、コロナ禍で不安に思ったり、何かに悩んでいるすべての方の
心のお守りになったらいいなと思います。
(やまけい)