『自分をえらんで生まれてきたよ』
著者:いんやく りお
この本は、小学生の男の子・りお(理生)君が、お母さんのお腹の中での事、お腹の中に来るまでの事を語ったお話を本にしたものです。
心臓と肺に疾患をもって生まれたりお君、入院は30回以上、のべ2年にもわたる生活だったそうです。
どんなにか辛く大変だったかと想像しますが、そんななかで、りお君が語る言葉は、悲壮感がないのです。
ぼくが病気で生まれたのは、
ずっとずっと、幸せになるためだよ。
ぼくは、病気だったから、
幸せなんだ。
ぼくは、病気だったから、
心の言葉が話せるんだ。
だから、いつか、心の幸せを配る
サンタさんになるんだ。
りおくんの言葉は純粋でわかりやすく、考えさせられる事ばかりでした。
神さまがくれたものは、たくさんある。
まず、心。気持ち。いのち。体。
それから、考える、頭。
ぼくは、神さまからのプレゼントなんだ。
だから、自分をたいせつにする。
自分をたいせつにすると、
地球へのおみやげに、なるんだよ。
この本をはじめて読んだとき、私は病気で生まれてきた兄のことを思いました。
「あぁ、兄は自分で病気をえらんで生まれてきたんだ」と……。
であれば、私もその兄の家族という環境を「自分でえらんで生まれてきた」んだと納得しました。
そして、この本を読んでから、不思議なことがありました。
当時小学1年生だった息子が、生まれる前、天国にいたころの記憶を、急に話しはじめたのです。
空の上からお母さん(私)を見て、このお母さんにすると決めたこと
空の上でいろんな心の勉強をしたこと
空の上には神さまや天使がいること
みんなを幸せにするために生まれてきたんだよ、ということ
りおくんのように言葉は豊富ではありませんでしたが、
この本に書かれていることと似たことを話し始めたのです。
この本にも感動したし、何より息子の言葉にびっくりして、
担当編集のりゅうやんさんに報告した記憶があります。
私がこの本を読んで、生まれる前の記憶のことを信じるようになったから話し始めたのかな?
なんで急に話し始めたのだろう? と思ってしまう、私にとって不思議な、思い出深い本です。
この本は、当時雑誌でもとりあげられ話題となりました。
10年前の本ですが、世の中が混とんとしている今、多くの人に読んでいただきたい言葉ばかりです。
りおくんのように、この世界で唯一の存在である自分を、皆さんも大切にしてほしいと思います。
(やまけい)