私は現在、営業部にいるのですが
以前、編集部でアシスタントをしていた時期がありました。
そのときにたくさんの著者とお会いする機会があったのですが
なかでも特に印象深かったのが『「孤独」は消せる。』の著者である
オリィさんこと吉藤健太朗さんです。
当時の上司の編集長とともに
初めてお会いしたときのこと。
真っ黒な洋服(?)、ご本人曰く「黒い白衣」をたなびかせて
颯爽と街を歩いていました。
それはまるで映画『マトリックス』の世界に
入ってしまったのかと思うほど(笑)。
そして初めて会った記念にと、黒い白衣からおもむろに取り出した折り紙で
ササっと、あっという間に薔薇を一輪作ってくれました。
そんな衝撃の出会いをしたオリィさん。
オリィさんたちが取り組んでいたのは
病気やケガによって家や病院から出られない方、
また寝たきりになっている方たちが
社会の一員として働けるようにするための活動でした。
誰かにお世話をしてもらったり、助けてもらったり、
それは感謝すべきことなのかもしれません。
だけど、私たちが自分の存在価値を感じることができる瞬間は
誰かの役に立てたり、誰かを助けてその人が喜んでくれたり、
そういったときのほうが大きいのではないかと、
オリィさんたちの活動をとおして気づくことができました。
『「孤独」は消せる。』の本が出版されたのは2017年。
あれから5年の歳月を経て、現在オリィさんたちは、
「オリヒメ」という遠隔ロボットを使うことで
外に出られない人たちでも働けるカフェを運営をしています。
「分身ロボットカフェ DAWN ver.β 」
https://dawn2021.orylab.com/
私が訪れたときは、5歳の頃から車椅子生活をしている20歳の女の子が
夢だったカフェのアルバイトを実現してすごく楽しいと
接客の途中で話をしてくれました。
障害や病気が理由で諦めていた何かを
選択肢のひとつに加えられることができる世界。
いつかそんな世界が当たり前になったらいいなと心から思える場所でした。
もしお近くに行く機会がありましたら、ぜひ立ち寄ってみてください。
(さよ)