小林正観さんという不思議な人物のことを知ったのは、２０００年代に入った頃だったかと思います。
人づてに噂を聞き、友人から誘われて、東京・五反田で定期的に行われていた講演会にも何度か参加するようになりました。
演壇に上がってもまったく力みのないその語り口からくり出される奇想天外な話の数々にすっかり魅了されたのを覚えています。
講演会の動画をあまり残さなかった正観さんですが、本書の元となる１９９９年の講演会の動画を見て、ぜひその雰囲気が伝わる本ができればと思いました。
正観さんが２０１１年に鬼籍に入られてから、早いものでもう１１年の年月が流れますが、ありし日の正観さんをご存知の方も、また初めて名前を知った方も、楽しんで読み進めていただける内容に仕上がったのではないかと思っております。