平野先生の訪問診療に、一部同席させてもらったことがありました。
寝たきりで意識のない患者さんを前に、ご家族の方と静かに話す先生。白衣ではなくポロシャツに、聴診器。

細い道を小さな自家用車で走る先生ですが、自身が4歳のとき、訪問診療で重篤な肺炎から命を救ってもらったことが原点とのこと。
看取り医、と聞くと「死と隣り合わせ」ということばかりイメージしてしまいそうですが、先生に言わせれば、向き合っているのは「死」ではなく「燃え尽きんとする今際の生」。そんな究極の生に2700例をも立ち会ってきた先生の言葉は、どのひと言も聞き逃したくないものでした。
ぼくとつにお話しになりながらも、それでいてとてもユニーク。「先生に看取られたい!」と、患者さんから熱いファンコールがあるというのも納得の先生でした。

978-4-7631-4046-3

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