21世紀になっても、
大虐殺が起き、命も人間の尊厳も奪われているところが世界にはある――。
この現実を私たちはどこまで知っているでしょう。
『「国境なき医師団」の僕が世界一過酷な場所で見つけた命の次に大事なこと』は、
国境なき医師団の日本事務局長の
村田慎二郎さんの初めての本。
スーダン、シリア、イラク、イエメン……
国際人道支援最前線での紛争地のエピソードから
命の次に大事な「命の使い方」について語る内容です。
「ネコカさんが担当とは意外でした」
「こういう内容も興味あるのですか?」
私はスピリチュアル系や自己啓発系の書籍を
担当することが多いので
一見、本書の担当ということに
意外に思われる方もいるようです。
私は編集者になったときからずっと
手がける本のコンセプトは
--見えない世界を知ることで、
前向きな一歩を踏み出すきっかけになる本。
そう、本書も現実に起こっていることなのに、
見えない世界(見えてない世界・知らない世界)の現実を知ることができます。
スーダンの避難民のキャンプ、
世界でもっとも迫害されているロヒンギャの人々、
医療従事者まで空爆で狙われる現実……。
世界一過酷な場所で、それでも生き抜く人々、
自分の国にいればずっと楽に暮らせるのに
危険を顧みず、人道援助をする人々……。
この世界で起こっていることを知ることで
日本という場所にいる私たちは
いかに生きるべきなのでしょうか?
どう命を使うべきなのでしょうか?
著者の村田さんは本書で繰り返し伝えます。
「日本のような国に生まれて、夢を追いかけないのはモッタイナイ!」
「自分の命を大きく使って生きよう」
さらに本書では、
村田さんが、英語力ゼロからいかに国境なき医師団を目指したか、
そして“究極の夢”実現のためにいかに
ハーバード大学大学院を目指したかといった心が熱くなる話から、
イスラム教シーア派最高権威・シスターニ師や、
元イエメン大統領との緊迫の面談や交渉の様子も描かれています。
(この辺りは堺○人さんで映画化してほしい臨場感です!!)
読み始めた途端に、「人間の生きる力」の尊さ、
「自分は何者なのか」「いかに生きるべきか」についての
思いが自然に湧いてくるはずです。
そう、本書は私がいままで手がけてきた本とまったく変わらない
――見えない世界を知ることで、
前向きな一歩を踏み出すきっかけになる本。
なのです。
多くの方に読んでいただきたい一冊です。
本書を制作し始めたちょうど1年くらい前の、最初の打ち合わせ。
著者の村田さんとネコカ。