サンマーク出版

書名 よくがんばりました。
著者情報 著者: 喜多川 泰
定価 1500円 (10%税込)
ISBN 978-4-7631-4012-8 C0095
体裁 四六判上製 本文238ページ
初版発行日 2022年9月30日
内容のご紹介

だんじりが駆けめぐる祭りの夜。
決して交わることのなかった
父と息子におとずれる奇跡。

著作累計100万部を突破した
小説家・喜多川泰が紡ぐ心の再生物語。
 
[あらすじ]
中学校の社会科教師として30年のキャリアをもつ石橋嘉人は、心が不安定な新米教師・山吹日奈の面倒をみながら、コロナ禍で大きく変化する教育現場や子どもたちの心情に憤りを感じていた。ある日、愛媛県警からの連絡で実父が亡くなったことを知る。父親とは38年前、逃げるように母親と家を飛び出してから会っていないうえに、自分の記憶からも消していた存在だった。時はちょうど「西条まつり」が行われる秋の10月。江戸時代から続く日本一のだんじり数を誇る祭りの高揚感が、唯一の父親との記憶を蘇らせた。義人は、生まれて初めて父親の実像と向き合う決心をする。それは、自分の心を癒す再生の時間でもあった。
 
[本文より]
自分に与えられた条件のなかで、起こることすべてを受け入れて、誰にもその苦しみを理解してもらえないままに、ひとつの旅を終えた人に対して湧いてくる言葉は、嘉人のなかではひとつしかなかった。
「よくがんばりました」
そしていつか自分も人生を終えるときに、誰かが、誰でもいい、たった一人でもいいから、自分に対してそう言ってくれたら、自分の人生は報われるんじゃないか。そう思えた。
 
 
人間の凄さっていうのは、
すべての人が、その人の人生を
懸命に生きているところにある。



目次より

春の風のようなひかり 1978
パノプティコン 2022
湊哲治 2022
離郷 1984
故郷 2022
祭りの記憶 
御旅所 1982
真鍋陽子 2022
ひかりに照らされて
宮出し 2022
人の凄み 2022
御旅所 2022
同行二人 1984
あとがき
著者紹介
喜多川 泰(きたがわ・やすし)
1970年生まれ。愛媛県西条市出身。2005年から作家としての活動を開始。『賢者の書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)にてデビュー。2010年に出版された『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』(小社刊)は13万部を突破。2013年9月には映画化され、全国一斉ロードショーとなる。また同作品は2018年に舞台化された。精力的に作品を発表し、これまでの全18作品の国内累計100万部を超える。「喜多川ワールド」と呼ばれるその独特の世界観は、小学生から80代まで幅広い年齢層から愛され、その影響力は国内にとどまらず、多数の作品が台湾・韓国・中国・ベトナムでも翻訳出版されている。執筆活動だけではなく全国各地での講演やセミナーも開催。出会った人の人生を変える講師として人気を博している。主な作品に『おいべっさんと不思議な母子』『One World』『秘密結社Ladybirdと僕の6日間』『[文庫]福に憑かれた男』(以上、小社刊)、『君と会えたから……』『手紙屋』『株式会社タイムカプセル社』『運転者』(以上、ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『書斎の鍵』(現代書林)、『ソバニイルヨ』(幻冬舎)などがある。